EXCEL 実践2026年9月22日 ・ 読了目安 8分
SUMIF関数で担当者別の売上を集計する方法
売上明細がたまってくると、「田中さんはいくら売ったか」「ある商品分類だけではいくらか」を毎回電卓で集計するのは大変です。SUMIF関数なら、指定した条件に合う行だけを自動で合計できます。小さな会社の売上表や経費表では、最初に覚えておきたい関数の一つです。
まずは、明細を「1行に1件」で並べる
SUMIF関数は、縦に並んだ明細を集計するのが得意です。たとえば「日付」「担当者」「商品名」「売上金額」のように、1件の取引を1行に入力します。途中に小計行や空白行を挟むより、明細を連続して並べた方が後から集計しやすくなります。
今回の練習ファイルでは、B列が担当者、D列が売上金額です。F6には「集計したい担当者名」を入力し、F7にその担当者の合計金額を表示する構成になっています。実際の自社データで試す前に、まずこの架空データで動きを確かめましょう。
SUMIF関数の基本形
=SUMIF(条件範囲, 条件, 合計範囲)
3つの場所を順番に指定します。条件範囲は「どの列で探すか」、条件は「何を探すか」、合計範囲は「見つかった行のどの数字を合計するか」です。担当者別の売上なら、担当者名を探して、同じ行にある売上金額を足します。
条件範囲担当者名が入っている B6:B17
条件集計したい担当者名が入る F6
合計範囲売上金額が入っている D6:D17
完成した数式=SUMIF(B6:B17,F6,D6:D17)
この式では、B6からB17の中でF6と同じ担当者名を探し、該当する行のD6からD17の金額だけを合計します。たとえばF6が「田中」の場合、田中の売上だけがF7に表示されます。
実際に入力する4つの手順
1.結果を表示したいセルをクリックします。練習ファイルではF7をクリックします。数式は、集計結果を出したいセルに入れるのが基本です。
2.「=SUMIF(」と入力します。最初の「=」を忘れると、Excelは計算式ではなく文字として扱います。途中で候補が出た場合は、SUMIFを選んでも構いません。
3.条件範囲、条件、合計範囲を順に選びます。まずB6:B17をドラッグし、カンマを入力します。次にF6をクリックしてカンマを入力し、最後にD6:D17をドラッグします。最後に閉じかっこ「)」を入力してEnterを押します。
4.条件を変えて結果を確認します。F6の担当者名を別の人に書き換えます。F7の金額も変われば、関数は正しく動いています。合計金額が変わらない場合は、F7をクリックして数式バーの参照先を見直してください。
うまく集計できないときの確認ポイント
入力ゆれに注意
条件に使う名称は、売上明細と完全に同じ表記にします。「田中」と「田中さん」、「ABC商店」と「ABC商店」のような違いがあると、別の文字として扱われます。担当者名や商品分類は、候補から選べる入力規則を使うと揺れを減らせます。
合計が0円になる場合は、まずF6の担当者名とB列の担当者名を見比べてください。余分な空白が入っていたり、似た別の文字になっていたりすることがあります。また、D列の金額が文字列として入力されていると、見た目が数字でも合計されない場合があります。セルを選び、数値の表示形式になっているか確認しましょう。
明細が毎月増える場合は、範囲を十分に広く取るか、Excelのテーブル機能を使うと便利です。テーブル化しておくと、行を追加したときに集計対象が自動で広がります。最初は練習ファイルの範囲のままで十分なので、仕組みを理解してから試してください。
SUMIFでできる集計の例
条件は担当者名に限りません。「経費」の列で「広告費」だけを合計する、「商品分類」の列で「パソコン」だけを合計する、「入金済」の列で「済」だけを合計する、といった使い方ができます。条件を入力するセルを一つ用意すれば、同じ集計式を使い回せます。
無料付録 SUMIF関数 練習Excel
担当者別の架空売上データを使い、SUMIF関数を実際に試せる練習ファイルです。F6の担当者名を3人分変更し、合計結果が変わるか確認してみてください。データはすべて架空です。
練習Excelを無料でダウンロードするMicrosoft 365 または Excel 2021 以降を推奨します。
月次経営管理2026年9月21日 ・ 読了目安 9分
小さな会社の月次経営管理は Excel で十分始められる
売上は見ているのに、今月の利益や目標との差をすぐに答えられない。そんなときは、毎月同じ項目を確認できるExcelを一つ用意するところから始めます。最初から複雑な経営システムを導入しなくても、数字を見る習慣を作ることはできます。
月次経営管理は「過去を見る表」ではありません
月次管理というと、前月の数字を締めて終わりという印象があるかもしれません。しかし本来の目的は、数字を見て次の行動を決めることです。「売上が目標に届かなかった」だけで終わらせず、「どの商品・サービスを増やすか」「どの経費を見直すか」「来月の担当をどうするか」まで考えるために使います。
小規模事業者では、会計ソフトに入力された数字と、日々の経営判断に使う数字の見せ方が違うことがあります。会計ソフトは正しい帳簿を作るために大切ですが、経営者が毎月確認したい数字を一枚にまとめる役割は、シンプルなExcelでも十分に果たせます。
月次で最初に確認する4つの数字
01 売上今月の実績と目標を並べ、差額を確認します。
02 売上原価売上を作るために直接かかった費用です。
03 固定的な経費人件費、家賃、通信費などを月ごとに確認します。
04 営業利益・利益率売上から原価と経費を引いた結果を見ます。
売上は「多ければ良い」で終わらせず、目標と比較します。目標を100万円、実績を90万円と置けば、差額はマイナス10万円です。達成率は、実績÷目標×100で求められます。毎月同じ位置に目標・実績・差額を置くと、見るべき数字が迷子になりません。
売上原価は、販売する商品やサービスを提供するために直接必要だった費用です。商品を仕入れて売る業種なら仕入額、外注を使って提供するサービスならその外注費が中心になります。売上だけが増えても、原価が大きく増えていれば利益は残りません。
固定的な経費には、人件費、家賃、水道光熱費、通信費、システム利用料、販促費などがあります。厳密な会計区分にこだわりすぎず、経営判断に使いやすい分類で毎月そろえることが大切です。分類を途中で頻繁に変えると前年や前月と比較しにくくなります。
営業利益と利益率は、売上から原価と経費を引いた後にどの程度残ったかを見る数字です。利益率は、営業利益÷売上×100で確認できます。売上が同じでも利益率が下がっているなら、原価や経費の中身を一段深く見直す合図になります。
テンプレートを使った毎月の進め方
1.締める日を決めます。「翌月の5日まで」のように、前月分を入力し終える目安を決めます。数字が確定していない項目があっても、まず分かる範囲で入力し、後で更新する運用で構いません。大切なのは、何か月も見ないままにしないことです。
2.黄色の入力セルだけを埋めます。付録のExcelでは、売上・経費・目標など、手入力する場所を黄色にしています。数式が入っているセルは触らず、実績金額を入力してください。入力セルと計算セルを色で分けると、誤って計算式を上書きする事故を減らせます。
3.目標との差を確認します。売上だけでなく、主要な経費も予算や前月と比べます。大きく増減した項目には、理由を一言だけでも残します。例として「販促費増:チラシ追加」「通信費減:不要な契約を解約」のように書いておくと、翌月に数字を見たとき判断の背景を思い出せます。
4.次月にやることを一つ決めます。数字を確認した後、「来月は何をするか」を一つか二つだけ書きます。売上不足なら既存顧客への連絡、利益率低下なら仕入条件の確認、経費増なら契約内容の見直し、といった小さな行動で十分です。月次表は、反省文ではなく次の一手を決めるメモとして使いましょう。
続けやすいExcelにする3つのコツ
1つ目は、入力箇所を少なくすることです。細かい内訳を最初から全部入れようとすると、忙しい月に更新が止まります。まずは売上、原価、人件費、家賃・水道光熱費、販売促進費、通信・システム費、その他経費ほどで十分です。
2つ目は、実績と目標を並べることです。実績だけを見ても、良いのか悪いのかが判断しにくいためです。3つ目は、コメントを残すことです。「良かったこと」「気になること」「翌月にやること」を各1行残すだけで、月次管理が数字の記録で終わらず、次の行動につながります。
最初の3か月は、表の形を変えすぎない
使い始めると新しい項目を足したくなりますが、まずは3か月同じ形で続けてみてください。毎月比較して初めて見える変化があります。追加したい項目はメモしておき、必要性がはっきりしてから反映すると続けやすくなります。
よくある失敗と防ぎ方
最も多いのは、数式セルを上書きして計算が崩れることです。入力欄以外はできるだけ触らず、保存前に営業利益や達成率が不自然な数字になっていないか確認してください。また、元のファイルを直接編集せず、ダウンロード後に「2026年9月 月次管理」のような名前でコピーを作っておくと、もし入力を誤っても元に戻れます。
このテンプレートは、日々の経営判断を助けるための補助資料です。会計帳簿や税務申告に必要な処理は、会計ソフトや税理士などの専門家と確認してください。
無料付録 月次経営管理Excel
売上・経費・営業利益・目標達成率・月次コメントを一つにまとめた、入力箇所を黄色に限定したExcelです。最初は架空の数字を入れて計算結果を確認してから、自社の数字に置き換えてください。
無料でダウンロードするMicrosoft 365 または Excel 2021 以降を推奨。会計帳簿・税務申告用ではありません。